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絞め殺しの樹

小学館文庫 か58−1
河崎秋子/著
著作者
河崎秋子/著
メーカー名/出版社名
小学館
出版年月
2024年4月
ISBNコード
978-4-09-407349-2
(4-09-407349-3)
頁数・縦
567P 15cm
分類
文庫/日本文学 /小学館文庫
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価格¥900

出版社の商品紹介

出版社からのコメント

新・直木賞作家のブレイク作!   北海道根室で生まれ、新潟で育ったミサエは、両親の顔を知らない。昭和十年、十歳で元屯田兵の吉岡家に引き取られる形で根室に舞い戻ったミサエは、農作業、畜舎の手伝い、家事全般を背負わされボロ雑巾のようにこき使われた。その境遇を見かねた吉岡家出入りの薬売りの紹介で、札幌の薬問屋「仙雲堂」で奉公することに。戦後、ミサエは保健婦となり、再び根室に暮らすようになる。幸せとは言えない結婚生活、早すぎた最愛の家族との別れ。数々の苦難に遭いながら、ひっそりと生を全うしたミサエは幸せだったのか。養子に出された息子の雄介は、ミサエの生きた道のりを辿ろうとする。「なんで、死んだんですか。母は。癌とはこの間、聞きましたが、どこの癌だったんですか」今まで疑問にも思わなかったことが、端的に口をついた。聞いてもどうしようもないことなのに、知りたいという欲が泡のように浮かんでしまった。「乳癌だったの。発見が遅くて、切除しても間に合わなくてね。ミサエさん、ぎりぎりまで保健婦として仕事して、ぎりぎりまで、普段通りの生活を送りながらあれこれ片付けて、病院に入ってからはすぐ。あの人らしかった」(本文より)

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